自分軸を見つける自己肯定感ワーク:大切にしたい価値観を知る
自分の価値観を知り、自分軸を育む
自己肯定感が低いと感じていると、つい他人と自分を比べてしまったり、「自分には特別なものがない」と思い込んでしまったりすることがあるかもしれません。周囲の意見や流行に流されやすく、「本当はどうしたいのだろう」と迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。
こうした状態は、自分の内側にある「価値観」が見えにくくなっていることが一因かもしれません。価値観とは、あなたが人生で大切にしたいこと、心の底から「良い」と感じること、行動の判断基準となる考え方です。
自分の価値観を知ることは、他人との比較から一度離れ、自分自身の「軸」を見つけるための大切な一歩です。自分にとって何が重要か、何を大切にしたいかが分かると、日々の選択に迷いが少なくなり、他人や状況に振り回されにくくなります。それはやがて、揺るぎない自分らしさに繋がり、自己肯定感を育む土台となります。
ここでは、あなたの大切にしたい価値観を見つけるための具体的なワークをご紹介します。難しいものではありませんので、ぜひ試してみてください。
大切にしたい価値観を見つけるワーク
価値観は、特別なものではなく、あなたの日常や過去の経験の中に隠れています。いくつかの方法で、そこに気づくことができます。
ワーク1:心が動いた経験を振り返る
静かな場所で、ノートとペンを用意し、これまでの人生で心が強く動いた経験をいくつか思い出してみてください。
- 楽しかったこと、嬉しかったこと:どんな状況で、誰といましたか? 何をしている時に一番「これが自分だ」「充実している」と感じましたか?
- 辛かったけれど乗り越えたこと:何が辛かったですか? それを乗り越えるために、あなたはどんな考え方や行動をしましたか? その時、大切にしていたものは何でしたか?
- 怒りや不満を感じたこと:何に対して怒りや不満を感じましたか? その状況は、あなたのどんな価値観に反していましたか?
それぞれの経験について、具体的に書き出してみましょう。そして、それぞれの経験の「背景」にある、あなたが大切にしていること、譲れないものは何かを考えてみます。例えば、「誰かの役に立てた時に喜びを感じた」経験からは「貢献」や「人の役に立つこと」が価値観として見えてくるかもしれません。
ワーク2:理想の状態や憧れる人を考える
次に、未来や他者に目を向けてみましょう。
- 理想の自分、理想の生活:もし何の制約もなかったら、どんな自分でいたいですか? どんな生活を送りたいですか? そこにある「満たされている」と感じる要素は何ですか?
- 憧れる人やキャラクター:あなたが「こんな人になりたいな」「素敵だな」と思うのはどんな人ですか? その人のどんなところに魅力を感じますか? その人が持っていると見える価値観は何だと思いますか?
これも具体的に書き出してみてください。あなたの理想や憧れは、あなたが潜在的に求めている価値観を映し出しています。
ワーク3:価値観リストから選んでみる(参考として)
インターネットなどで「価値観リスト」と検索すると、様々な価値観の候補(例:成長、安定、自由、正直、貢献、楽しさ、家族、健康など)が見つかります。そうしたリストを眺めながら、「これ、自分にとって大事だな」「これはあまりピンとこないな」と感じるものを選んでみるのも一つの方法です。直感的に惹かれる言葉は、あなたの内なる声を表している可能性があります。ただし、リストにない独自の価値観もあるので、あくまで参考として活用してください。
見つけた価値観を整理し、活かす
いくつかのワークを通して、あなたの中に繰り返し現れるテーマや、特に心が惹かれる言葉が見つかったでしょうか。それらが、あなたの大切にしたい価値観のヒントです。
見つかった価値観を5つ程度に絞り込んで、書き出してみてください。そして、なぜそれが自分にとって大切なのか、改めて考えてみましょう。
例えば、「成長」が大切な価値観だと気づいたなら、「新しい知識を得たり、挑戦してできるようになることに喜びを感じるから」といった理由が明確になります。
これらの価値観は、あなたの「自分軸」の羅針盤となります。日々の小さなことから大きな決断まで、この価値観に沿っているかを考えてみてください。
- 友人に誘われた集まりに行くかどうか(自分の「楽しさ」や「人間関係」の価値観に合うか)
- 仕事で新しい役割を引き受けるかどうか(自分の「成長」や「安定」の価値観に合うか)
- 何にお金や時間を使うか(自分の「健康」や「学び」の価値観に合うか)
価値観に沿った選択は、あなたに心の満足感や充実感をもたらしやすくなります。逆に、価値観に反する選択は、なんとなく「違うな」「疲れるな」と感じさせるかもしれません。
ワークを実践する上でのコツと期待される効果
実践のコツ
- 一人で静かな時間を作る:誰にも邪魔されない環境で、自分の内面にじっくり向き合いましょう。
- 正直な気持ちを書く:「こうあるべき」ではなく、「本当はこう感じる」という素直な気持ちを大切にしてください。
- 時間をかけることを恐れない:一度に全てを見つけようと思わず、何度かに分けて取り組んでも大丈夫です。
- 完璧を目指さない:最初から明確な答えが出なくても問題ありません。見つけるプロセスそのものが重要です。
- 記録をつける:ノートやアプリなどに書き出すことで、思考が整理され、後から見返すこともできます。
期待される効果
- 他人との比較が減る:自分にとって大切なものが分かると、他人の基準ではなく自分の基準で物事を評価できるようになり、他人と比較して落ち込むことが減ります。
- ブレない自分軸ができる:自分の価値観が明確になることで、周囲の意見に振り回されにくくなり、主体的な選択ができるようになります。
- 自己理解が深まる:自分がどんな人間で、何を大切にしているのかを知ることで、自分自身への理解と受容が進みます。
- 自信に繋がる:価値観に基づいた行動は、自分らしい生き方に繋がり、自己肯定感を高めることに貢献します。
まとめ
自分の価値観を見つけるワークは、自己肯定感を育むための力強い一歩です。最初から全てがはっきり見えなくても、じっくりと自分自身と向き合う時間を持つこと自体に意味があります。
見つかった価値観は、一度きりの答えではなく、あなたの成長や経験と共に変化していく可能性もあります。定期的にこのワークを繰り返したり、日々の生活の中で「これは自分の価値観に合っているかな?」と意識したりすることで、より自分らしい、満たされた生き方に近づくことができるでしょう。
ぜひ、今日から少しずつ、あなたの内側にある大切な声に耳を傾けてみてください。それが、確かな自分軸を育み、自己肯定感を高めることに繋がります。