毎日に「ありがとう」を見つける自己肯定感ワーク
日々の小さな「ありがとう」が、あなた自身を肯定する力になる
私たちは日々の生活の中で、つい自分に足りないものや、うまくいかないことに目を向けがちです。特に、周囲の人と自分を比べて落ち込んでしまったり、新しいことへの挑戦にためらいを感じたりすることもあるかもしれません。そんな時、「自分なんて…」と感じてしまうこともあるかと思います。
自己肯定感を育むための方法は様々ありますが、今日ご紹介するのは「感謝」に目を向けるワークです。感謝と聞くと、特別なことのように感じるかもしれませんが、ここでいう感謝は、日々の何気ない瞬間にある小さな「ありがとう」のことです。
この感謝ワークは、私たちを取り巻く世界や、自分自身の中にある良い側面に意識的に目を向ける練習になります。これにより、徐々にポジティブな視点が養われ、自分自身や自分の状況を肯定的に捉えることができるようになっていきます。
なぜ感謝することが自己肯定感を高めることにつながるのか
感謝することは、私たちの心に良い影響を与えることが研究でも示されています。感謝の気持ちを感じることで、幸福感が増したり、ストレスが軽減されたりする効果があると言われています。
自己肯定感が低い状態にあると、私たちはどうしてもネガティブな側面に焦点を当てやすくなります。自分の欠点、過去の失敗、他人との比較による劣等感などです。しかし、感謝することを習慣にすると、意識が「持っているもの」「恵まれていること」「うまくいった小さなこと」に向かうようになります。
これにより、ものの見方が変わり、自分自身の価値や、自分を取り巻くポジティブな要素に気づきやすくなります。これは、結果として自分自身を肯定すること、つまり自己肯定感を高めることにつながるのです。また、他人への感謝は良好な人間関係を育み、それがさらに自己肯定感を支える土台となることもあります。
今日からできる感謝ワーク:実践編
感謝の気持ちを育むためのワークは、どれも手軽に始められるものばかりです。まずは、自分に合いそうなものから試してみてください。
ワーク1:感謝ノート(ジャーナリング)
最も代表的な感謝ワークの一つです。寝る前や朝など、時間を決めて感謝していることを3つから5つ、ノートやスマートフォンのメモ機能に書き出してみましょう。
- 書くことの例
- 今日、親切にしてくれた同僚への感謝
- 美味しい食事ができたことへの感謝
- 天気が良かったことへの感謝
- 電車がスムーズだったことへの感謝
- 体調が悪くなかったことへの感謝
- 自分自身が今日一つ目標を達成したことへの感謝
- 好きな音楽を聴く時間があったことへの感謝
最初は当たり前すぎるように感じることでも構いません。「〇〇があったおかげで助かった」「△△があったから嬉しかった」など、具体的な理由や、それによって自分がどう感じたかを付け加えると、より感謝の気持ちを深く感じやすくなります。
ワーク2:感謝を伝える
感謝の気持ちは、心の中で感じるだけでなく、実際に言葉や行動で伝えることも powerful なワークです。
- 伝える方法の例
- 家族や友人に「ありがとう」を直接伝える、メッセージを送る。
- 職場の同僚に、具体的に何に感謝しているかを伝える。
- お店の店員さんに丁寧な言葉で感謝を伝える。
- 手紙やメールで感謝の気持ちをしたためる。
感謝を伝えるという行動は、相手との関係性を良好にするだけでなく、伝えた自分自身も温かい気持ちになります。誰かに感謝される経験も、自分自身の価値を再認識することにつながる場合があります。
ワーク3:感謝の瞑想(思考ワーク)
静かな場所で数分間、目を閉じるか、ぼんやりと一点を見つめます。そして、今感謝していることについて心の中でじっくりと考えてみます。
- 行うことの例
- 感謝している人の顔を思い浮かべ、その人との良い思い出や、してもらったことに感謝する。
- 今ある物(家、衣服、食事、便利な道具など)について、それが当たり前ではないことに感謝する。
- 自分の体や健康について、あるいは何か特定のスキルや能力について感謝する。
- 過去の困難な経験から学び、成長できたことに感謝する。
心の中で感謝の対象とその理由を丁寧にたどることで、感謝の気持ちがより深く根付いていきます。特別な時間や場所は必要ありません。通勤中や休憩時間など、少しの隙間時間でも行うことができます。
ワークを続けるためのコツと期待できる効果
新しい習慣を始めるのは、時として億劫に感じられるかもしれません。しかし、感謝ワークは完璧を目指す必要はありません。大切なのは、「続けること」です。
- 続けるためのコツ
- 「小さく始める」: 最初は毎日でなくても、週に数回から始めてみましょう。書き出す数も1つや2つからでも構いません。
- 「特定の時間と結びつける」: 「夜寝る前にベッドに入ったら書く」「朝食を食べ終わったら考える」など、既存の習慣と結びつけると忘れにくくなります。
- 「楽しむ視点を持つ」: 義務ではなく、「今日の良いこと探し」ゲームのように捉えてみると続けやすくなります。
- 「記録を見返す」: 時々、これまでに書き出した感謝リストを見返してみましょう。自分がどれだけ多くの良いものに囲まれているか、自分が経験したポジティブな出来事を再認識できます。
これらのワークを続けることで、以下のような効果が期待できます。
- ポジティブな感情の増加: 喜び、満足感、希望などをより感じやすくなります。
- ストレスや不安の軽減: ネガティブな思考パターンから抜け出しやすくなります。
- ものの見方の変化: 問題点だけでなく、解決策や良い側面に自然と目が向くようになります。
- 人間関係の向上: 他者への感謝を伝えることで、周囲との繋がりが強まります。
- 自己肯定感の向上: 自分自身の良い面、自分の置かれている環境の良い面に気づき、「自分はこれで良いんだ」「自分には価値がある」と感じられる機会が増えていきます。他人と比較して落ち込む時間も自然と減っていくことが期待できます。
小さな「ありがとう」が積み重なって、あなたの自信になる
自己肯定感は、一朝一夕に劇的に変わるものではありません。日々の小さな実践を積み重ねることで、少しずつ育まれていくものです。感謝ワークは、そのための優しく、そして確実な一歩となります。
毎日の「ありがとう」に意識を向けること。それは、自分自身に向けられる肯定的なエネルギーを増やすことでもあります。
完璧にできなくても大丈夫です。忘れてしまっても、次の日からまた再開すれば良いのです。
あなたの中にある、そしてあなたを取り巻く、たくさんの良いものに気づいていくプロセスを楽しんでください。その一つ一つが、きっとあなたの自己肯定感を支える確かな力になってくれるはずです。
今日見つけた小さな「ありがとう」から、あなた自身を大切にする毎日を始めてみませんか。